弓具のなかでも、弓、矢,弽などの記述や紹介は数多くございます。
弓、矢は歴史が先史時代にまで遡り、弓師,矢師、弽師と呼ばれた人たちが活躍したのは戦国から江戸時代です。
これらの弓具は時代とともに進化を遂げて参りました。
しかし現代弓道においてこれらの弓具以外に袴、着物などの衣料に関する記述や紹介は目にする機会が極めて少ないのが実情と感じ、
衣料の製造者としまして少しでも袴選び、着物選びの際のお役にたち、
「袴姿や弓を引く姿が美しい」といわれる日本の伝統文化でもある弓道を楽しんでいただければ幸いと思い、
ここに一部を紹介させていただきます。
- 国内一の毛織物産地である尾州(愛知県の尾張)産の織物(毛織物)と、ベテランの職人さんの手による縫製により作られています。その毛織物は手触りや肌触りのよい高級感のある美しさを備えた織物で、着心地感と機能性を重視しているのが特徴です。
- 毛織物産業に携わっていた経験、知験を生かして創業者は地場産業が作りだす毛織物の弓道衣料への展開を工夫し、お役立ちを進めてきました。弊社は産地に近接していることもあり、袴地や着物地として織物技術の粋が込められた美しい毛織物の調達が極めて容易であることも弓道衣料を潤沢に作り続けてこられる要因です。
- ウール100%の高品質の製品、天然繊維のウールと化学繊維を組み合わせた製品、化学繊維のみの製品等毛織物以外との複合化商品も多数用意。季節を問わずご利用いただけるように製品を用意しております。種類の豊富な縞袴や夏の紗の着物、ウール100%の着物や袴、シルキー薄地・厚地の多くの種類から正装・略装・練習着、稽古着に応じてお選びください。
- 規格サイズは豊富で、選択が容易です。色・素材も豊富な織物から選択が出来ます。
呉服屋さんで反物を選び仕立てることが理想ですが、弓道衣料として手軽に気に入ったものを早く入手できることも重要と考え、規格サイズを豊富にして納期の短縮化を図っております。
もちろんお一人お一人のご注文に応じた製作も承ります。
愛知県の一宮市、尾西市を中心とする尾州地域は明治、大正の頃から毛織物業が盛んとなり、現在でも全国の毛織物の約75%の生産量を占める毛織物産地です。現在では毛織物は合成繊維などとの複合化も進み多様化してきています。
1980年代後半まではこの地の産業は隆盛を極めましたがその後の急激な社会、経済環境の変化には苦しみました。しかし匠の方々の心意気と技術は伝承され、何よりも品質の高い織物を生産されています。今では官民一体となってどのようにして愛知県の毛織物産地の強みを維持し、課題を解決していくかに取組んでいます。
「尾張の毛織物」写真提供:カメラマン 末松グニエ文さん
弊社が使用する織物の70%位がションヘル織機で織られています。
ションヘル織機というのは約80年稼働を続ける伝統の織機で、繊細なウール素材の糸を手織りの感覚で、糸への負担を減らしながら時間をかけて織る低速織機です。コストパーフォーマンスは悪いが、独得の手触り感覚が表現され、
この地域では現在でも活躍する貴重な織機です。ノスタルジックな風景ですが、現役でバリバリと働く織機も写真で紹介します。